COLUMN コラム

こくさいホールのあれこれ③~美術作品について~

今回は、こくさいホールにある美術作品についてご紹介したいと思います。
 
こくさいホールで見ることができる「作品」は公演だけではありません。
まずは入場すぐの2階エントランスの大きな絵。こちらは寸法1,900×3,600mmある、新開寛山 作の陶板画「森の歓喜」です。


(新開寛山作 「森の歓喜」)
『みどりの森に 白いふくろう 鳥たち つどい 楽しく さえずる 歓喜の歌は 和になり 永遠に』という 新開先生のお言葉が残っている通り、鳥たちが大震災を乗り越えたことを喜んでいるかのようではないでしょうか。
「陶板画」という名の通り、キャンバスに絵を描いているのではなく、陶器の大きな板の上に絵を描き、それを通常の器のように焼き上げて作っています。油絵などに比べ劣化が少なく半永久的な保存が可能なことから、名画の再現保存に使用されることがあります。名画の油絵の修復など、良く特集を組まれていますよね。色が変わったり、ひび割れたりすることが少ないのは、陶板画ならでは。ぜひお近くでじっくりご覧ください。
 
エントランスから長いエスカレーターに乗って上がったメインロビー「ホワイエ」には「美しい神戸へのメロデー」というタイトルのブロンズ像があります。

(冨永直樹作 「美しい神戸へのメロデー」)
作者である冨永直樹氏は、『華々しく照らし出された華麗なる乙女は喨々として奏でる。今、演奏されているその曲目は、この作品を観てくださるその人の心に委ねる。21世紀を迎え更に世界に翔くであろう神戸の街の発展と共にこヽに集う心豊かな人々の幸せを祈りつヽ制作した作品『美しい神戸へのメロデー』である』という言葉を残していらっしゃいます。
冨永氏も、阪神淡路大震災によって被害を受けた神戸に心を痛め、そして復興の道を少しずつ歩んでいく姿に喜んでくださったのではないでしょうか。
 
そしてもう一つ、こくさいホールについて語る上で外せないのが、客席内に入ると目に飛び込んでくる緞帳(どんちょう)です。
(原画:東山魁夷作 「新生の樹」)
青や緑を中心に使って描かれた木々の絵。照明の影響もあり、客席は「赤い」印象がありますが、それを和らげるのがこちらの緞帳です。これは日本を代表する画家、東山魁夷先生の原画『新生の樹』を用いたもので、こくさいホールのために描き上げてくださいました。
先日まで、東京の国立新美術館で生誕110年の企画展を行っておりましたので、他の作品を見られた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらの作品にも、東山先生の兵庫県民・神戸市民の震災復興を願う力強いメッセージが込められています。
東山先生のお言葉が残っておりますので、ご紹介いたします。
『厳しい冬が去って木々の梢に新しい生命が宿る。美しい若葉の乱舞。それは希望と歓喜に満ちている。樹々は、いつも逞しいエネルギーを蓄えていて、春になると恵みの緑をふりかけていく。地上の全てのものに新しい元気と勇気を与えながら「さあ!進もう。明日に向かって、しっかりと」と合唱しているようだ。』
 
こくさいホールは、新会館の開業同様、多くの方々の支えと応援によって現在の形となりました。


こくさいホールにお越しの際は、ご覧になる公演以外にも、このような美術作品にも触れ、楽しんでいただきたいです。

 

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